まだ少し時間がある、呑みに行こう
漫画家赤塚不二夫さんが、原稿を紛失してしまった編集者に言ったセリフだ。
この話しには続きがある。
飲んで戻った赤塚は、また同じ話を描き上げて
「2度目だから、もっと上手く書けてよ」とその編集者へ渡したという。
紛失した原稿は1週間後にタクシー会社から赤塚宛に郵送されてきた。
「2度と同じ失敗を繰り返さないように、おまえが持ってろ」
と、赤塚からそのプレゼントされた編集者は、その後35年間も自分への戒めとして持ち続けた。
赤塚死後、この原稿は赤塚不二夫プロダクションに返却、
現在「天才バカボン」の同じ回の原稿が2つ存在する。
なんて素敵なストーリーだろうか。勇気付けられもするし、涙もしたりする。
編集者を気遣った赤塚不二夫、原稿を今後絶対なくさまいと誓った編集者
そこにはお互い認め合う信頼関係が構築されていたのだろう。